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(仮)

2007.03.16(Fri)

『その他』 Comment(0)Trackback(0)
『次は絶対に許さないから』



 何度同じことを言っても、彼が聞いた試しはなかった。
 いつでも、何を言っているんだろう、というような不思議な顔をして自分を見ていた。
 たぶん本当に判らなかったのだろう。―自分が彼を失うことをどんなに恐れているかなんて。彼を失くした時にどんなに絶望して泣いたかなんて。


「ゼロ。ちゃんと聞けよ」
「…聞いている」


 大きな瞳をうざったそうに自分に向けて、彼はかろうじてそう答えた。
 こういう時どうしたらいいんだっただろうかとエックスは考える。怒ればいいんだっけ。それとも泣けばいいんだっけ。
 人間じゃないから知らないし判らない。そういう類いのことは何ひとつ―
 次に出す言葉すら見つけられないことが情けなくて、結局エックスの瞳からは涙が零れた。もちろんそれは本物の涙などではなく、とても良く出来た偽物にすぎないけれど、その『機能』は自分たちレプリロイドにしっかりとつけられていた。―何のためにかは知らないけれど。
 ぼろぼろ涙(のようなもの)を零していると当然レンズが曇って彼の顔が見えなくなった。ますます不愉快だった。仮に戦闘中だとしたら不愉快どころの話ではない。こんな不利というか不必要な機能が何故付けられているのだろうとエックスは頭の隅だけでぼんやりと思った。


「―ゼロ。おれが君の破片を、どんな気持ちで集めたと思うの」


 感情に逆らう気にはなれなくて、思うままの言葉を口にした。


「…あんなのもう二度とゴメンだ。ゼロは何回だって死に急いで、そのたびにたまたま生きてるけど、―偶然だよ。たまたま生きてるだけだ。そんなやり方しか出来ないならハンターなんかやめろよ」



 まくし立ててから、涙を拭くと視界がぼんやりと開けた。恐ろしく性能が良い瞳のレンズは、ゼロの端正な顔をしっかりと捉らえた。
 ―彼は、最初に話を始めた時とまったく変わらない表情で自分を見ていた。その恐ろしく綺麗な顔を少しも歪めることなく、その青い瞳は軽蔑にも憎悪にも動揺にすら―染まることはなくただこちらを見ていた。
 つまり、届いていないのだ。自分がどんなに感情的になって何を言ったところで、彼の心どころか、彼の耳にすら。
 エックスは、自分とゼロが致命的に違うことを感じて絶望した。
 涙を流す気にもならないほど、絶望的に自分たちは違う。
 多分彼は、その命を失くすことなど何とも思っていないのだろう。恐ろしいとも悲しいとも、―何とも。
 イレギュラーという名の同じ生命体を、その美しい指先ひとつで奪うことに何の躊躇もないのと同じように。
 かつてシグマがまだ自分の上司だった頃に、少しだけ話に聞いたのを思い出す。
 発見された時のゼロはまさに修羅か夜叉のように返り血に塗れて、スクラップという名の屍の中に金色の髪の毛を靡かせていて、この世のものとは思えなかったと―‥あんなに美しいイレギュラーを自分は今まで見たことはない。お前が見たら腰を抜かすだろうよ―‥確かそんな風に言っていた。
 今は狂った元上司がまだ穏やかだった頃の話だ。気が遠くなりそうなくらい昔のことに思えた。
 


「―エックス」

 ゼロはいつもの低い声で自分の名前を呼んだ。


「おれがハンターをやってるのは、お前を守るためだ。おれは、お前より大切なものはこの世にない。そのことについてお前にどうこう言われる筋合いはない。おれがそうしたいから、やってるだけだ」

 酷く形のいいゼロの唇は、確かにそう言葉を紡いですぐに閉じた。
 たぶんこれは最上級の愛のコクハクとかいうやつなのだろうが、当然ながらまったく嬉しくない。
 しかも相変わらず表情ひとつ変えなかったので、本当にそう思っているのかそれとも適当に言っているのか、当のエックスですら皆目判らなかった。



「…話はそれだけか?」


 ゼロは溜息をついて席を立った。目の前の食事の皿には半分以上残っている。彼はオレはアルコールだけで生きてるんだぜ、というようなタイプで、食事のみならずとにかく物事全てに執着がなくて、戦う時だけ生きていると感じると言っていた。―そして事実そう見えた。
 ゼロは人並み外れて強いだけではなくその戦い方はあまりにも洗練されていて―こんなことは言いたくないが―あの戦場の中では芸術的にすら見えた。
 ―そういえば、自分はゼロが泣いたところを見たことはない。そもそも、彼にはその機能がついているのだろうか。彼をこんな風に造ったのは、いったい誰なんだろう。今まで考えたこともない―気にしたこともなかった疑問が、ふとエックスの胸を過ぎる。
 姿かたちが美しい鬼か悪魔でも造りたかったのだろうか。


 ゼロは、エックスが答えないのを確認すると、くるりと踵を返そうとした―‥ので、慌ててエックスはその腕を掴んだ。
 じろり、と睨まれるけれど怯まない。


「…全部食べろよ。おれが食うぞ」


 ゼロが勝手に食えば?というような目をしたので、エックスは腕を掴んで強引に席に座らせた。腕力で彼に敵わないとはいえ、自分だってハンターの一隊を率いる隊長である。親友とはいえナメられたら困るのだ。

 ゼロの大きな瞳は無言でなに、と言っていた。退屈そうに瞬きをする度に長い睫毛が揺れる様がまるで図られたかのように美しくて、エックスはぞっとした。
 誰が何のために、こんなに美しい戦闘用レプリロイドを作ったのだろう。

 エックスはぼそりと口唇を開いた。


「…つまりゼロは、おれがいちばん大事なんだ。つまりおれを失くさないと、自分がやってることに気付かないんだね。」



 呆然とそう呟くと、ゼロは笑った。




「…バァカ」



 ―ガタッ



 そう言ったか否かの電光石火に、エックスは肩を物凄い力で捕まれて引き寄せられた。言うまでもなく、本気を出したゼロに力で敵うはずもない。



(しまっ―)



 た、と思った時は既に遅し。
 自分たちの間を遮るものがよほど邪魔だったのだろうか、ゼロが机を思いっきり蹴り飛ばしたので、上に乗っていた食べ物はおろか鍋や食器までもがスローモーションのように落下して、派手な音を立てて次々と割れた。
 ゼロは―本当にこういう時だけ―心底楽しそうな顔をして、そのまま自分の口唇を塞いだ。


「―!」



 思いっきり突き飛ばしてやろうと思ったけれど、彼の強い力はそれを許さなかった。俗に言うと、こういうのは多分抱き締められているというんだろう。
 こういうのを何というのか、エックスは知らない。人間はどういう時に抱き合ったりするものなんだろうか。レプリロイドなのに。レプリロイドなのに。頭のどこかが冷静に、自分たちを客観的に見て嘲笑する。

 自分の回路が本当にショートするのではないかと思うくらい深く口付けられて意識が遠のいた頃、ようやくゼロは口唇を離すと、ぞっとするくらい迫力のある声で耳元で囁いた。



「―そんな事態には絶対にさせない。例えお前が望んでもな。」



 そう言ってゼロは笑った。絶対の自信がある笑い方だった。



「大丈夫かエックス。フラフラだぞ」


 まだまだ手加減しているとでも言いたげに、ゼロは笑ってエックスの頭を撫でた。誤魔化されている、と強く思ったが、もう反論する気もなくなって、エックスは力なくゼロの背中に腕を回した。



「…ゼロ」


「…でもおれは、ゼロが死んだら嫌だ。…ずっとそばにいて欲しい」



 ゼロは、ほんの少しだけはっとした顔をした。こういう時ほんの一瞬だけ、エックスは勝ったと感じる。所詮自分に惚れているというのだったら、こういう女の子のような方法のほうがまだ効果があるのだ。
 あまり本意ではないが、彼がほんの少しでも自分を大切にしてくれるんだったら、使わないこともない。―本当に、本意ではないのだけれど。





「…覚えておく。」




 小さな声でゼロがそう返事をしたのでとりあえずエックスは満足した。




 ―次は許さない、本当に。



 彼は自分がケタ外れに強いと思って安心しきっているけれど、彼に思い知らせる方法は、幾らだってあるのだ、本当は。


 ―この、自分の命を以って―




(勿論これも本意ではないけれど)






***


とりあえず私も満足したので寝ます。
オヤスミ(*´∀`)ノ(2時半まで何やってるんだアンタ…)
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うーんうーん

2006.11.17(Fri)

『その他』 Comment(0)Trackback(0)
05-04-24_21-07.jpg


うーん良く判らないなぁ…
じゅげむの方が使いやすいwww(じゅげむもどうかとオモ)(ゲームブログであんなに世話になっておいてΣ(´∀` ))
携帯から更新するとタイトルが見えないという大変意味不明なことにwww(謎すぎ)
なんか変な画像があるけど下のはきにしないように。(汗)
mixiのせいで何でもうpする妙なクセがついた_| ̄|○

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テストその2

2006.11.17(Fri)

『その他』 Comment(0)Trackback(0)
ブログってなんでこんなに面倒なんだ(キレ
つかブログって何(おま

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